『マイマイ新子と千年の魔法』ロケ地ガイド17選

発見iタウン山口では、おでかけマップの特別企画として映画やアニメの舞台となった所を訪れる
ロケ地ガイド(聖地巡礼。ロケ地訪問。探訪など呼び名はさまざまです。)をお届けします!

今回は山口県防府を舞台にした映画『マイマイ新子と千年の魔法*』(片渕須直監督作品)の人気シーン17のロケ地について
アニメーションで描く昭和30年代のシーンと平成30年の写真を見比べて頂きながらご紹介してまいります。
各ロケ地の撮影場所Mapも載せていますので、現地を訪問される方はスマホ片手にロケ地めぐりをお楽しみください。

↑English version is here

*あらすじ
原作は、山口県防府市出身の芥川賞作家・髙樹のぶ子が自らの幼少時代をモデルに描いた自伝的小説「マイマイ新子」。
昭和30年代の山口県防府市の風景が、圧倒的な美しい映像となってよみがえります。
映画化の指揮を執ったのは、片渕須直監督。

ゆったりとした自然に囲まれた山口県防府市・国衙。
平安の昔、この地は「周防の国」と呼ばれ、国衙遺跡や当時の地名をいまもとどめている。
この物語の主人公は、この町の旧家に住み、毎日を明るく楽しく過ごす小学3年生の少女・新子だ。
おでこにマイマイ(つむじ)を持つ彼女は、おじいちゃんから聞かされた千年前のこの町の姿や、そこに生きた人々の様子に、いつも想いを馳せている。彼女は“想う力(ちから)”を存分に羽ばたかせ、さまざまな空想に胸をふくらます女の子であり、
だからこそ平安時代の小さなお姫様のやんちゃな生活までも、まるで目の前の光景 のようにいきいきと思い起こすことができるのだ。
そんなある日、東京から転校生・貴伊子がやってきた。
都会とは大きく異なる田舎の生活になかなかなじめない貴伊子だが、好奇心旺盛な新子は興味を抱き、お互いの家を行き来するうち、いつしかふたりは仲良くなっていく。
一緒に遊ぶようになった新子と貴伊子は同級生のシゲルや、タツヨシたちとともに、夢中になってダム池を作る。
そして、そこにやってきた赤い金魚に、大好きな先生と同じ「ひづる」と名前をつけ、大切に可愛がるようになる。
やがて新子たちは、学校が終わるとこのダム池に集まって過ごすようになっていた。
しかし、ふとしたことから「ひづる」が死んでしまい、それを機に仲間たちとの絆も揺らぎ始めていく。
そんななか、新子は「ひづる」そっくりの金魚を川で見かけたという話を聞き、貴伊子や仲間たちと金魚探しを始めるのだった。
そして、みんなの心が再びひとつになりかけたその時…。(公式サイトより)

※本ガイドの各シーン毎の紹介は、取材現場の臨場感もお届けしたく編集チームのカジュアルな文体で綴っています。
ご理解とご了承いただければ幸いです。

人気シーンロケ地 17選

1.三田尻駅(現防府駅)


↑貴伊子とお父さんが三田尻駅(現:防府駅)に降り立つシーン。
左端に見えるのが、当時建設中と思われる山陽楼。と現在の防府駅(天神口)前交差点

昭和30年代と平成30年、実に約60年のギャップがありますが、面影はあります。

現在の学習塾の場所にかつての山陽楼が有ったことを考えると、
県道184号線を目前に写真の中心点から少し右側の横断歩道近辺で車を待っていたことになりますね。

※現在、山陽楼さんは元の場所から1本左奥の場所へ移転しています。
(編)現地では「あ!ここかな!?」と思っていたらよくよく見なおしたらもう1つ奥だったようです・・・

2.天神通り(天神1丁目)銀座商店街入り口


↑天神通りと銀座商店街入り口

かつて山口銀行があった場所には観光案内所「天神ぴあ」が入っています。
ピンクが可愛い銀座商店街入り口の看板に書かれた「幸せます」とは、
「幸いです・助かります・ありがたいです」と言った意味なんだそう!

てっきり丁寧語の「です。ます。」か「幸せが増す」にひっかけた造語かな?と思っていました。
※「増 す」にもかけているようです。

3.松崎小学校


↑松崎小学校、校門

現在は橋は歩道となり向かって校門右にガードレールが設置されています。
マイマイ新子ファンの編集担当の大人達がハイテンションで撮影している姿は
中で遊んでる子供たちにはどう映ったのでしょうか・・・(笑)

昭和30年代のグラウンドと平成30年では奥に見える体育館や、
サッカーコートなど置いてある遊具が違いますね。

※校内は関係者以外立ち入りできません。
※今回の校外からの撮影については事前に許可を頂いて撮影をしています。

4.通学路(迫戸川と通学路(南松崎町)

↑通学路

劇中でも新子たちの通学路になっていましたね。
撮影者の身長により高さが足りないものの、このアングルですよ!

通学路の迫戸川はここからずーーっと続きます。
途中にアヒル小屋をはさんで貴伊子がとぼとぼ下校しているシーンへ続きます。

※校内は関係者以外立ち入りできません。
※今回の校外からの撮影については事前に許可を頂いて撮影をしています。

5.アヒル小屋


↑アヒル小屋

校門の右に延びる迫戸川沿いに歩いてすぐのところにあります。

劇中では新子が緑の小次郎と競争しているシーンで登場します。
静止画をよく見てみると左側にアヒルが数羽見えますね。
小屋と言いつつ扉が見当たらないので、昔は放し飼いだったのでしょうか?
現在は使用されていないようです。

※校内は関係者以外立ち入りできません。
※今回の校外からの撮影については事前に許可を頂いて撮影をしています。

4-2.通学路(迫戸川と通学路(南松崎町)


↑迫戸川

まだまだ続くよ迫戸川!
ということで、アヒル小屋からここまでが結構長いんです・・・

「貴伊子の下校シーンはどこだ?!」
「もっと先?この川どこまで続いてるの?!」と歩き続けてたら有りました。

ちょっと諦めかける手前の距離にあります。
小学校を背にたまに振り返りながら歩くと見つかります。
貴伊子が立っているのは画像左の出っ張った煉瓦部分あたりでしょうか?

6.水門横の道(水路と水門)

 ↑水門横の道(千年前の朱雀路、水路も千年前からあったそう!)

国衙バス停を背にユニクロ側に渡ると水路と水門が!
電柱が邪魔な感じになっていますが、ここからのアングルがモデルなのでしょう。

この日は快晴だったためか、季節的なものなのか?
劇中シーンの様に水門から水がざばーっと流れる様子は見られませんでした。

水門の向こうには、酒屋さん(有井酒店)※が見えたのでしょう・・・
※現在は取り壊されています。

7.鐘紡町交差点(貴伊子の通学路の踏み切り)



↑鐘紡町交差点

貴伊子が立っている所は現在車道ですね。
車が途切れた一瞬のスキを狙った撮影だったので一見閑散としているように見えますが
車の往来があるので撮影する時は周りに注意してくださいね!

ここから先は関係者以外立ち入り禁止のため、貴伊子の通学路は残念ながらここまでです。

8.ハンモックの木モデル


↑ハンモックの木モデル

佐波神社を背にガードレール越しに下の畑を見てみると、右側にハンモックの木モデルがあります。

劇中シーンの様に真っ直ぐの川ではなく、両サイドの木も割と細めですね。
木の様子をモデルにしただけで場所は同じでは 無いのですが、
両サイドの木にハンモックがかかっている姿が想像できてワクワクしますね。

藤蔓を編んだハンモックに新子と貴伊子が2人乗っても大丈夫なことを考えるとなかなか頑丈な木だったに違いありません。

9.新子の家からの風景(麦畑からの山/勝間神社近辺からの多々良山&矢筈ヶ岳)

 ↑新子の家からの風景

麦畑からの多々良山&矢筈ヶ岳のシーンで上半分の山部分モデルになったであろう場所です。
勝間神社址、ガードレールの反対側からの景色です。

「あの山、どの山?なんて山??」状態で劇中シーンプリントアウトと照らし合わせて

あーでもないこーでもないと言いながら撮影した一枚です。

下半分の麦畑は国衙の麦畑ともう1エリアを参考にしたとのことです。
(出典:監督ブログ「メイキング・オブ・マイマイ新子」https://blog.goo.ne.jp/kantoku1121より)

風にうねる麦の海を求めて – メイキング・オブ・マイマイ新子
https://blog.goo.ne.jp/kantoku1121/e/2e33b02443dd75222e7a75801ba226b8
麦畑を求めて – メイキング・オブ・マイマイ新子
https://blog.goo.ne.jp/kantoku1121/e/eb6cd34bf7ddcbafd20ff506a30f2aab

10.国衙バス停

↑国衙バス停

ここも非常に分かりやすい場所ですね。
右手後ろにはユニクロ防府店があります。

惜しむらくは、竹本商店こと有井商店さんが解体されてしまっていることでしょうか。

国衙バス停は信号を渡って右側にあります。
バス停と言いながら、酒屋がメインになってますね。

11.たばこ屋看板/昭和館となり休憩所

↑酒屋 看板の行方

解体されてしまった竹本商店こと有井商店さんの看板が!
まさかの不意打ちで銀座商店街の中間に位置する昭和館のお隣の休憩所(無人)に置いてありました!
ここにいたのか君は!
マイマイ新子のポスターにつられて立ち止まったら中にあるなんて。まさか、です。

12.国衙跡

 ↑国衙跡

「ロケ地、最初どこ行く?」

って聞かれたら、皆さんここを選ぶのではないでしょうか?
もちろん私たちが最初に訪れたのがここ、国衙跡です。

なにはなくとも国衙跡。
朝の8:30頃の国衙跡です。
済んだ空気、広がる青空、犬の散歩をする地元の方、のどかです。

スタート地点にふさわしい場所だと思います。

13.国庁碑西の祠(ポン菓子)


↑国庁碑西の祠

通称(?)「新子たちがポン菓子を並んで食べてる場所」です。

ここも作品中でメジャーな場所だからすぐ見つかるだろう♪
なんて鼻歌交じりに軽く考えていたら

見渡せど、見渡せど、それらしき祠が見当たらない!!
「国衙跡の西って言ってますよね、西ってどっちですか??」
もはや東西南北がゲシュタルト崩壊手前でアッサリ見つかりました。

国衙跡を突き当たるまでひたすら左に直進です。

14.佐波神社の石段

↑佐波神社の石段

新子と貴伊子がグリコをやった石段。
現在は石段の真ん中に手すりが付いています。

事前にストリートビューなどでチェックはしていましたが、
実際に行ってみると思っていたより石段が急で狭い!

あの子たち、ここでグリコやってたの?!
小学生の体力とバランス感覚、恐るべし・・・

※お子様はもちろん、大きいお友達も階段でのグリコは危ないので辞めましょう。


今度は上からの眺めです。
木の枝が視界を遮っていますが、下には畑が広がっています。

左右の狛犬も健在です。

※石段が急ですので撮影に夢中になって怪我をしないようご注意を!

15.勝間神社址

↑勝間神社址

現在では「浜の宮」と呼ばれている勝間神社址。
※勝間神社と名が付く場所がもう1つ有りますのでお間違いないように!

石のベンチに2人並んで「ざっぷーん、ざっぷーん♪」と揺れていたあの場所です!

目の前の高架は頭の中のフォトショップで合成、補完してください。
鳥居の向こうに山が見えるはず・・・です。

※当時の線路は移設され高架となっています。


今度は反対側から。

画像の上から1/3あたりに線路が有ったのでしょう。
新子と貴伊子のすぐ後ろを列車が走っていたわけですね。そう考えると凄い・・・

現在は、歩くと枯れ木がバキバキと鳴る未舗装の地面が広がっています。

16.バーカリフォルニア路地モデル


↑バーカリフォルニア路地モデル

防府天満宮に向かう途中、左手にぽっかり空いた空間が。
ここがバーカリフォルニアの路地モデルとなった場所です。

現在は左半分側が取り壊されて、猫の集会所になっています。

17.佐波川土手


↑佐波川土手

ロケ地めぐりのシメとしてぜひ訪れてほしい!!
ちょっと遠いのでレンタサイクル・レンタカーでの移動がオススメです。

土手の桜は整備で撤去。
数年前に階段の上にミニ桜が植林されています。

水がキレイなのか、川底までクリアに見えます。

 

まとめ

『マイマイ新子と千年の魔法』ロケ地ガイド、いかがだったでしょうか?
ロケ地訪問される際にお役にたてれば幸いです。

カメラと資料片手に防府市内を探索していると地元の小学生や、
お父さんに抱っこされた2~3歳くらいのお子さんが元気よく挨拶をしてくれたことに驚かされました
子どもが見知らぬ大人に挨拶をするという心洗われるような光景に出会えたロケ地訪問でした 。

ロケ地ガイド、最後までお読み頂きありがとうございました。
特別協力(Special Thanks):片渕須直監督


作品紹介

マイマイ新子と千年の魔法(2009年)
「この世界の片隅に」(2016年)の片渕須直(かたぶち・すなお)監督作品
昭和30年代の山口県防府市を舞台に、すべての人の心の中にある懐かしい風景と色褪せることのない
切ない想い出を、徹底した情報収集と緻密な作画でアニメ化した作品。

2009年
オタワ国際アニメーション映画祭 長編コンペ部門 正式上映
アヌシー国際アニメーション映画祭 長編映画部門 正式上映
2010年
第14回文化庁メディア芸術祭 「優秀賞」受賞
第20回シネ・ジュニア映画祭 「観客賞」
第29回ブリュッセル・アニメーション映画祭 「大人向け観客賞・BETV作品賞」


Blu-Ray・DVD好評発売中!

映画「マイマイ新子と千年の魔法」公式サイト
http://www.mai-mai.jp/

© 髙樹のぶ子・マガジンハウス/「マイマイ新子」製作委員会

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