ベガルタ仙台特集Vol.2 ~J1昇格と降格~ 1999-2003

仙台のプロサッカーチーム「ベガルタ仙台」が創立25周年を迎える2019年。
地元密着のチームとして25年歩んできた足跡を特集していきます。
第2弾は「J1昇格」と「J2降格」の2つを経験した1999~2003をご紹介します。

~第2章 「ベガルタ仙台」の誕生とJ1昇格とJ2降格~

99年シーズン


(99年 ベガルタ仙台 メンバー )

チーム名を「ベガルタ仙台」に変更し、合わせて、チームカラーも今までの「グリーン」から「ベガルタゴールド」へ変更。
チームとして一新してJ2リーグへ参加。
昨年のシーズンに引き続き、壱岐総監督、鈴木武一監督の2体制で挑戦するも、前期終了時点で最下位となり、壱岐総監督、鈴木武一監督が共に辞任。
後任監督には横浜マリノス【現 横浜F・マリノス】、アビスパ福岡、京都パープルサンガ【現 京都サンガF.C.】で監督を務めた清水英彦氏を監督に招聘し、中盤のテコ入れとして、93年U-17W杯で活躍し、元日本代表の中田英寿が「天才」と認めた財前冝之が入団。
年間最終順位は10チーム中9位となり、最下位は免れるものの、苦いシーズンとなった。

MF 財前 宜之

00年シーズン


(00年 ベガルタ仙台 メンバー )
清水秀彦監督が実質的にスタートからチーム作りを開始した1年目。
京都パープルサンガから藤吉信次、鹿島アントラーズからリカルドなど要所に補強を行うと共に、地元出身の平間智和の獲得など地域に
根ざしたコンセプトも崩さずに、J1昇格に向けての下地作りに着手。
清水監督は「3年でJ1に昇格」を前提に、堅実的なチーム作りをキャンプ時から行う。
開幕から5連敗を喫してしまうが、6月に元日本代表の山田隆裕が加入。後半戦で巻き返し、年間最終順位は5位と前年度の9位から躍進を遂げる。

01年シーズン


(01年シーズン ベガルタ仙台メンバー )
清水体制で2年目。昨年の順位から1つでも上を目指すために、元日本代表の岩本輝雄が入団。そして、その岩本のキックを活かすFWとして、ブラジル人FWマルコスが入団。
この補強が功を奏して、着実に勝ち点を積み上げ、最終節前には勝ち点80の3位と昇格を狙える順位までチームは躍動。
最終節までもつれた昇格争いは、後半に岩本のクロスを山田が折り返し、財前がボレーで決勝点を生み出し、清水監督以降に加入した3選手とJ2得点王に輝いたマルコスの活躍から、年間2位となり悲願のJ1初昇格を勝ち取る。
 
FW マルコス         MF 岩本 輝雄

02年シーズン

(02年 ベガルタ仙台 メンバー)
悲願のJ1昇格を果たした02年。清水監督就任3年目であり、J1へ挑戦する1年目。
「J1残留」を目標とし、昨年のチームにJ1で勝ち抜く経験をプラスするために、MF 森保一【現 日本代表監督】、 福永 泰【のちにベガルタ仙台ヘッドコーチ】DF小村徳男、片野坂知宏【現 大分トリニータ 監督】FW 山下 芳輝、MF シルビーニョ、GK 小針 清充らが加入。
開幕戦の東京ヴェルディに1-0で勝利を皮切りに、開幕5連勝を達成し、開幕ダッシュには成功。新加入のFW山下7試合5得点と好調で、一時は日本代表にも選出される。しかし。日韓W杯の中断期間後に失速し、第2ステージは4勝しかできなかったが、前半戦の貯金もあり年間13位でJ1残留を果たした。

MF 森保 一

03年シーズン


(03年 ベガルタ仙台 メンバー)
苦しみながらもJ1残留を果たした、昨シーズンの反省から守備陣の補強として、鹿島アントラーズ三冠に貢献したGK 高桑大二郎とCBファビアーノを獲得。
また、マルコスの特徴を活かすために左サイドバックにアテネ五輪代表候補の根本裕一、巧みな駆け引きから得点を生み出すFW佐藤寿人を獲得し、J1定着へ向けてスタートした。
このシーズンも開幕から4戦無敗と好調なスタートを切ったが、徐々に失速。
更には、FWの大黒柱のマルコスがケガに悩まされ、十分な活躍が出来ず、急遽、8月にFC東京からFW福田健二を獲得するが好転せず、9月にはJ1昇格の立役者の一人の清水英彦監督が解任。
後任監督に元スロベニア代表監督、名古屋、ジェフ千葉の監督を歴任したズデンコ・ベルデニックを招聘し立て直しを図るが、修正できず、最終節で大分トリニータに敗れ年間最終順位15位が決定。
2年でJ2に降格という結果に終わってしまった。
この年には、後に「なんでそこにいるんだ攻撃」が持ち味の菅井直樹Jリーグ初の途中出場4試合連続ゴールを記録した中原貴之が高卒ルーキーとして入団している。

FW 佐藤 寿人

まとめ

本記事では、「ベガルタ仙台」としてスタートした99年から03年までを振り返ってみました。
次章では「再昇格を目指して~苦難のJ2時台~」をご紹介いたします。(更新は2019年11月末予定)

写真提供 ベガルタ仙台

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